早稲田大学 ICT・ロボット工学拠点

スーパーグローバル大学創成支援(SGU) Waseda Ocean構想
Waseda Goes Global:A Plan to Build a Worldwide Academic Network
that is Open, Dynamic and Diverse

早稲田大学

海外派遣学生/Student

粥川 青汰 Seita KAYUKAWA

派遣期間
平成30年5月~平成30年9月
派遣先大学
Carnegie Mellon University
派遣先国・地域名
アメリカ・ピッツバーグ

派遣プログラムの内容について

スーパーグローバル大学創成支援(SGU)のプログラムを使用し、アメリカのペンシルバニア州にあるCarnegie Mellon Universityにて約4ヶ月の留学行った。今回の滞在ではRobotics InstititeのKris Kitani氏とIBM Researchの浅川智恵子氏がリーダーを務める研究グループに受け入れていただき、視覚障害者支援の研究に従事した。

学習成果について

混雑した環境での視覚障害者と歩行者の衝突回避を目的とした、視覚障害者の移動支援システムの提案、実装を行った。また、国際空港内で実際に視覚障害者の方が提案システムを使用する評価実験を行ったところ、提案システムを用いることで視覚障害者と歩行者の衝突回数が大幅に削減されたことを確認した。さらに、今回SGUから支援していただいた期間は3ヶ月であったが、滞在期間をさらに3週間延長し(滞在費は現地研究室に負担していただいた)、研究内容をヒューマンコンピュータインタラクション分野の最難関国際会議であるCHIに論文として投稿した。4ヶ月という短い滞在期間ながら、現地研究者の手厚いサポートのおかげで、一つの研究プロジェクトとしてシステムの提案から論文執筆までを完遂することができた。(論文は無事CHIに採択され、2019年5月にスコットランドのグラスゴーで発表予定)

海外での経験について

自分にとっては、長期海外滞在はおろか一人暮らしすら初めての経験だった。幸いにも日本での所属研究室には海外長期滞在を経験した先輩方が多く、またSGUプログラムのサポートも充実していたため、事前の準備は滞りなく行うことができた。現地到着後も周囲の人たちのサポートに恵まれ、不自由なく快適に過ごすことができた。ピッツバーグは観光面では乏しい環境で誘惑が少なく、研究に打ち込むには最高の環境だった。唯一の娯楽といえば、マイクロブルワリーと呼ばれる小さな醸造所が生産しているビール(日本でいう地ビール)だった。ラボにビール好き研究者が2人いたので、彼らと何かと理由をつけて研究の区切りごとにブリュワリーを巡る生活だった(特に評価実験終了後など研究の区切れで飲むビールは格別だった)。 (写真は日頃の研究の疲れをピッツバーグの美味しいビールで癒す私)

今後の進路への影響について

留学前までは修士卒業後は就職するつもりで、博士課程進学については全く候補に無かった。しかし、今回の滞在では様々な人から”PhDへ進む気はあるのか?”と言われることが多く、一つの選択肢として考えるようになった。これについては、世界の一流研究者たちと研究を進め、トップカンファレンスに論文を通すという経験ができた点も大きく影響していると思う。

その他

SGUに今回の滞在を支援していただいたことに対し、深く感謝します。SGUプログラムに支援していただいたおかげで金銭面で不安を抱くことなく研究活動に打ち込むことができました。現地で自分が受けている支援内容について話すたびに、その手厚さに周りの人たちが驚いていたのが印象的でした。また、金銭面での支援だけでなく、池田さんをはじめSGUの方々の手厚いサポートにも感謝します。このような支援がなければ今回の滞在も実現しなかったと思います。今後もこういった支援制度が続き、多くの学生に海外で活躍するチャンスが与えられることを願っています。