早稲田大学 ICT・ロボット工学拠点

スーパーグローバル大学創成支援(SGU) Waseda Ocean構想
Waseda Goes Global:A Plan to Build a Worldwide Academic Network
that is Open, Dynamic and Diverse

早稲田大学

海外派遣学生/Student

須井 翼 Tsubasa SUI

派遣期間
令和元年8月~令和元年11月
派遣先大学
ケンブリッジ大学
派遣先国・地域名
イギリス・ケンブリッジ

派遣プログラムの内容について

スーパーグローバル大学創成支援 (SGU) のプログラムを使用し、英国のCambridge Universityに97日の短期留学を行いました。Cambridge Univesity, Institute for Manufacturing 所属のDr. Michael De-Volder先生がリーダーを務めるNano Manufacturing グループに受け入れていただいたため、チームのメンバーの協力を仰ぎながら、自身の研究を完成させました。

学習成果について

垂直配向したカーボンナノチューブのフォレストに機能膜を堆積させたり化学処理を施すことで機能を付与し汗に含まれる生体情報として必要な成分の検出が可能なセンサの作製を行いました。Dr. Michael De-Volder先生がリーダーを務めるNano Manufacturing グループは、カーボンナノチューブを垂直配向する際に特異的な形状にすることで電気化学の反応の高効率化を可能にするという技術を有しており、今回私はその技術を利用してセンサの作製を行いました。電気化学に関しては一切の知識がなかったので研究開始当初は苦労しましたが、とてもいい勉強になりました。また、週1で行われるグループミーティングには欠かさず出席し、日本でやってきた研究とケンブリッジで行った三ヶ月のまとめの研究発表の2回発表するチャンスがあり、大きく成長できたと思います。また、上記のグループミーティングとは別にミニミーティングがあり、そこで必ず週に一回は研究の方向性に関するディスカッションを行っていたので自身の英語力の向上もできたと思いました。

海外での経験について

私が所属した研究室には博士課程の学生とポスドクしかいないという研究室だったのですが、みな修士一年の私を可愛がってくださり、一緒にお昼ご飯を食べたり、カレッジが開催するフォーマルディナーに招待してくださったりと大変良い経験ができました。また、ケンブリッジではほとんどが17時を過ぎると帰ってしまい、余暇をエンジョイして次の日に頑張るためのモチベーションを維持するというとても合理的な生活を送っており、大変参考になりました。皆、教授のような人であっても何かしらの運動を行っており、それもモチベーション維持のために効果的なのかなということも思いました。イギリスの人たちは冷たいということを聞いていたので、正直冷たくされたらどうしようなどと考えていましたがそんなことは一切なく研究室にかかわらず皆優しくてとても過ごしやすい環境でした。

今後の進路への影響について

97日間の滞在から私が感じたのは自分は海外(とりわけケンブリッジ)で博士課程を過ごしたいということを強く願う自分がいるということでした。日本は生活するにはとても素晴らしいところであると思うのですが、自身の発展、進歩のためには一度長期間海外に身を置いたほうがいいと感じ、現在はどうやって博士課程をケンブリッジで過ごすかということに焦点を当てて思案しています。それは今回お邪魔させていただいたDr. Michael De-Volder先生に博士過程で帰っておいでというお誘いがあったということ、質の高いメンバーと数年間を過ごすことができるという経験は人生でそうないということも一端にはあると思います。また、自身の英語力をもっと研鑽を積む必要があると感じました。簡単な議論はできたとしても踏み込んだ話し合いの際には何も発言できない歯痒さを今回の滞在で何度も感じたからです。

その他

今回の滞在を支援していただき、ありがとうございました。補助があったおかげで、お金に関して全く心配することなく研究に専念することができました。この制度がもっとたくさんの学生に認知され、日本の学生が海外に進出する足がかりになればいいと感じました。グローバル化がすすむ現代社会において海外に目を向けられることはとても重要であると感じました。改めて御礼申し上げます、ありがとうございました。