早稲田大学 ICT・ロボット工学拠点

スーパーグローバル大学創成支援(SGU) Waseda Ocean構想
Waseda Goes Global:A Plan to Build a Worldwide Academic Network
that is Open, Dynamic and Diverse

早稲田大学

海外派遣学生/Student

山口 周悟 Shugo YAMAGUCHI

派遣期間
平成29年10月~平成30年1月
派遣先大学
南カリフォルニア大学(USC)
派遣先国・地域名
アメリカ・ロサンゼルス

派遣プログラムの内容について

本プログラムでは、約4ヶ月間、米国ロサンゼルスにある南カリフォルニア大学(USC)附属の研究所、Institute for Creative Technologies (ICT)にて、Hao Li氏の下、顔テクスチャ合成に関する研究に従事した。ICTは、ハリウッド映画のCG制作のための顔キャプチャ装置 Light Stageを開発するなど、最先端のCG映画制作において不可欠な技術を有している。今回の留学では、Light Stageにて撮影された高精細なデータを用いた顔テクスチャ合成の研究を行った。ここでしか得られないのはデータのみならず、世界最先端を走る研究レベルの高さに触れるという経験を得て、研究者として大きな成長をすることができたと感じた。

学習成果について

Light Stageで撮影された4Kレベルの高画質な顔テクスチャデータを用いて、ディープラーニングによる学習を行うことにより、iPhone等で撮影されたセルフィーからハリウッド映画レベルの高品質な顔CGモデルを自動生成することを可能とした。今回の研究は、CGのトップカンファレンスSIGGRAPHの技術論文として投稿を行った。国内にいた時には、投稿することすらできなかったSIGGRAPHに挑戦できるレベルの研究を4ヶ月という短い期間で行い、非常に密度の濃い研究生活を行うことができた。短期間にこの成果を得ることができたのは、非常に優秀な(すでにトップカンファレンスをいくつも持っているような)共同研究者の力が大きかった。出力テクスチャを元に高品質なレンダリングをしてくださる方がいたり、ネイティヴによる論文添削が行われたり等、チームによる論文制作という、国内ではなかった経験をすることとなった。

海外での経験について

海外での長期滞在は今回が初めてとなった(今までは最長で1週間程度)。そのため、出発前はナーバスになっていたが、実際行ってみると、ロサンゼルスは気候・食事等において非常に快適で、研究室のメンバーやルームメイトもとても素敵な人たちで、もう少し滞在期間を伸ばせばよかったなと後悔するほどであった。出発前に最も心配だったのが、自身の英語力の低さであった。留学期間中にペラペラになることはできなかったが、少なくとも海外の人に話しかける時の恐怖心はかなり薄れたと感じた。今までオドオドしながら話しかけ、オドオドしながら受け答えしていたのが、自信満々で話しかけ、自信満々で玉砕するようになった。この差は大きい(たぶん)。

今後の進路への影響について

今まで漠然と海外や外資系で働きたいという気持ちを持っていたが、今回の留学によってそれらの気持ちが現実感を持って自身の中に現れるようになった。少なくとも、残り2年間の博士課程研究生活に対して、よりはっきりとした高いビジョンを自身の中に持つことができるようになった。研究者として大きなステップアップとなったことは間違いない。

その他

SGUプログラムに支援していただき、とても感謝している。この支援のおかげで金銭面で不安を抱くことなく研究活動を行うことができた。今回の留学が、人生におけるひとつの転機となったのは間違いなく、そのような機会を与えてくださったSGUには感謝してもしきれない。