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俵 直弘(Naohiro TAWARA)

写真なし 派遣期間 平成27年10月~平成27年12月
派遣先大学 Toyota technological institute at Chicago (TTIC)
派遣先国・地域名 米国・イリノイ州・シカゴ

派遣プログラムの内容について

本派遣プログラムを利用し昨年の10月から昨年末まで Toyota technological institute at Chicago (以下、TTIC) に滞在しました。TTIC はトヨタ自動車が創立した豊田工業大学のシカゴ分校で、米国シカゴ大学の一角を間借りした校舎内で様々な国出身の学生や教員が画像や音声、ロボット等を対象とした機械学習分野を中心とした研究を行っている修士博士一貫の大学院大学です。私が派遣先としてここを選んだ理由ですが、TTICの現学長が元々音声研究者で自分と近い研究を行っていたこともあり、何らかの形で訪問したいと以前より考えていました。本プログラムの派遣先を検討していた際にたまたま参加した音声系の国際学会でTTICの学長と偶然直接お話する機会に恵まれたため、そこで色々と相談にのって頂きここを派遣先とすることにしました。

学習成果について

新しい環境で研究が行えるせっかくの機会なので、日本で現在行っている研究とは別の研究テーマを設定しました。新たな研究テーマを考えるにあたり、現地の教員と共に互いが興味を持っている分野についてディスカッションしながらオーバーラップする分野を探し、その中から新たな知見が得られそうなテーマをピックアップし研究テーマを決めました。具体的な内容ですが、自分のこれまでの研究では正解ラベルが少数または全く与えられない環境下での認識問題を扱う教師なし学習と呼ばれる分野を中心にしていた一方で先方は音声認識を専門とされていたことから、互いの知見を活かせる研究テーマとして、正解のラベルが少数しか与えられない環境下で既存の音声認識手法の性能をどのように改善するかとった問題を設定しました。今回は比較的短期間の派遣だったこともあり論文の完成まではできませんでしたが、期間中に得られた成果を基に現在も共同研究という形で研究を続けています。

海外での経験について

今回の派遣の中で特に印象に残っていることの一つに、現地の大学で頻繁に開催されているソーシャルイベントに参加したことが挙げられます。TTICが比較的小規模な大学であることもあるのかと思いますが、日本の環境に比べそのような公式なイベントが多くあるように感じました。特にTTICでは毎週金曜の昼には大量のピザを買ってきて学内全員で集まって食事するという習慣があるのですが、その中で普段あまり関わりのない他分野の教員や学生同士が積極的にディスカッションしているのを見て、画期的なアイデアはそのようなフランクな場から生まれていることがわかりました。また、研究テーマを遂行するにあたり、現地の学生が作成したツールやTTICが所有する大規模な計算機資源を使用する機会があり、現地の学生に色々使用法を教えてもらったのですが、その中で、現地の研究者らはこれらツールの使用法や知見の共有を精力的に行っているということ実感しました。また、このような知識の面だけでなく人材の交流も非常に活発であることも印象的でした。例えば、TTICでは定期的に外部研究者を招聘し講演会を行っているのですが、そこで行われる活発な意見交換の様子が強く印象に残っています。それ以外にも私の短い滞在中にも様々な大学から研究員の訪問があり、このような流動的な人の流れが多様な研究成果につながっているということがよくわかりました。

今後の進路への影響について

今後の進路については、実際に様々な外国人と出会えて価値観も1か月だけでしたが変わりました。日本にいるだけでは多くの事を知れないまま過ごしてしまいます。今回の留学でもっと多くの海外の人と触れ合ってみたいと感じたため海外で働きたい願望が増えたことと、もっと言語を学ばなければならないなと感じました。語学をより勉強することによって、伝えられることや、相手の話をより理解でき、親しみやすくなると感じたからです。また大学院生の間にもう一度時間を作り、留学したいと思います。この理由としては自分の語学スキルを高められることと、大学にもよると思いますが、かなり高いレベルの人々と触れ合え、日本にはない技術や手法を学ぶ事ができ自分自身を高められると感じたからです。

その他

今回の派遣を通して、海外の大学のレベルの高さを実感しました。教員・学生ともにモチベーションが非常に高く、例えば輪講や進捗報告会等のディスカッションからも、自身に直接関わる研究だけでなく様々な分野の知識がよく共有されている様子が伺えました。また、幾つかの授業にも参加したのですが学生へ求められるレベルが総じて高い一方で、フォローアップも充実しており教育期間としてもよく機能していると感じました。このような経験を通じて、今後のキャリアパスに関し国外の研究機関も選択肢として非常に魅力的であると感じました。